建替え現場から
建替え工事進捗リポート(1)
昨年10月末に行われた起工式から半年近くが経過し、周辺ビルを含め一旦更地となった「建替え現場」は、土台となる基礎工事が進められています。
<1月下旬 - 山留工事が完了しました>
山留工事とは、基礎工事を行う前に、工事範囲を囲むように強固な補強壁を設ける工事のこと。
上の写真は、地下に補強壁を設けるために使用された大型重機です。この重機を使い垂直に地面を掘り下げ、約3ヶ月掛けて、工事範囲を隙間なく補強壁で囲んでいきました。重機の高さからも随分深くまで補強壁が設けられることが伺われます。山留工事の最盛期にはこうした重機が4台ほど場内で稼動し、広い歌舞伎座の敷地も下の写真のように狭く感じられるほどです。
<2月下旬 - 構真柱(こうしんちゅう)工事が進捗>
新しい歌舞伎座の建築には『逆打ち工法』と呼ばれる工法が用いられています。先に一階の床を造り、地下の工事を進めながら地上階も並行して建てていく工法で、その一階の床を支える柱を"構真柱"といいます。現在、敷地内では何本もの構真柱の布設工事が行われていますが、地下30メートルの深さから伸びるこの鉄骨の柱は、やがて上層階へと繋がっていきます。
地下構造が大型化する都心部での建築に合わせ考案されたこの工法は、工期の短縮はもちろん、周辺地盤の早期安定化や工事の安全性拡充が図られることが特徴。歌舞伎座の建替えは銀座の街中で行われる工事なので、安全であることを第一に考慮し採用した工法です。
12月下旬"山留工事"の様子
2月下旬"構真柱"に使用される鉄骨柱