建替え現場から
意匠継承のための型取り
現在、第四期歌舞伎座の意匠継承と再現を目的とする、様々な作業を行っています。今回はその中の「型取り」についてご報告します。
(*注)懸魚:破風板の下に吊り下げ、棟木(むなぎ)や桁(けた)の端を隠す装飾板
まず、実際の懸魚にシリコーン樹脂を塗布し、型枠の内側(下地)となる部分を作ります。
続いて、FRP(繊維強化プラスチック)樹脂と、ガラス繊維を何回か塗り重ねて、型枠をしっかりと固めます。
そうして出来上がった型枠を、懸魚からはずし、内部に石膏を流し込み、固めます。
最後に、石膏から型枠をはずして、懸魚のレプリカが完成します。
このようにして型取りされた、様々な場所のデザインが、第五期歌舞伎座に生かされていきます。
新しい劇場では、こうして継承されたカタチを見つける楽しさもありそうですね。