建替え現場から
【平成22年4月30日】 歌舞伎座 閉場式
四代目歌舞伎座最後の一日となる4月30日。閉場式が正午と午後4時の2回開催されました。
株式会社歌舞伎座代表取締役社長 大谷信義の挨拶で舞台が始まり、続いて立役俳優8人が揃い江戸情緒溢れる粋な舞踊『都風流』をご覧に入れました。次いで女方5人が大曲『京鹿子娘道成寺』を踊り分け、見事な"競演"で客席を魅了しました。
『口上』では中村芝翫丈、坂田藤十郎丈、中村富十郎丈が、様々な思い出の詰まった舞台に並び、芝翫丈は「歌舞伎座はわが家のような場所です。歌舞伎座は暫く閉場しますが、歌舞伎がなくなるわけではありません。この後も世界に誇る歌舞伎を末永くご愛顧くださいますようお願い申し上げます。」と万感の思いを込めて述べられました。
最後に幹部俳優、舞台関係者200人が壇上に勢揃いした手締式の幕が開くと、場内からは大きな拍手が沸き起こりました。坂田藤十郎丈が「長い間歌舞伎を守ってくれた歌舞伎座に感謝しながら、新しい歌舞伎座が世界全土に広がるような劇場になることを祈念して」と発声、満員の2000名のお客様と一緒に手締めを行いました。戦後間もない昭和26年から59年間にわたって大きな役目を果たしてきた歌舞伎の殿堂は、鳴り止まぬ万雷の中でその幕を閉じました。