建替え現場から
「百年檜」の製材加工
新劇場の舞台用檜板、「百年檜」の調達に関しては、すでに伐採工程までお伝えしてきました。関東の丹沢山中で採取した「百年檜」は、伊勢の松阪で現在製材工程に入っています。
すべての木材を丹沢から運び入れるのに約1ヶ月半ほど要しましたが、うだるような暑さの中、手際良く一日およそ25本のペースで製材処理されていきます。
丁寧に育てられた「百年檜」の板は、整った木目が美しく、色も均一で、周囲に檜の香りが漂います。以前ご紹介したように、舞台床材は厳選されるため、一本の丸太から2~3枚ぐらいしか切り出せません。 素晴らしい舞台を上演するため、歌舞伎座ならではのこだわりが、ここにも垣間見ることができるかと思います。
木は思っているより水分を多く含んでいて、伐採後、しばらくして丹沢の土場に下された時でも60~70%の含水率がありました。この後約1年ほどかけ含水率15%以下となるまで天然乾燥されます。舞台用「百年檜」、その後、最終の寸法に製材され東京に運ばれます。