『宴遊日記別録』によって、安永2年(1773)11月26日の柳沢信鴻の芝居茶屋での食事を再現してみました。調理は紺野料理長です。
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この日は中村座での観劇で、午前5時ごろのまだ暗い中に、現在の駒込六義園にあった下屋敷を10人の供を連れて出発しています。徒歩で約2時間かけて堺町(現在の中央区人形町)にあった中村座近くの芝居茶屋松屋に着き、側室のお隆は3人の供と駕籠で後から出かけ、松屋で合流しています。一同が揃ってから松屋で朝食をとりますが、献立は茶づけ、煮物、猪口(ちょく)とあります。朝食を芝居茶屋でとるのは朝早く出かけた日に限り、食事記録のある49日の中3日だけです。
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夕餉(現在の昼食)は芝居の幕間に松屋へ戻ってとっていますが、当時の芝居は1日がかりでしたから幕間の時間も長かったようです。夕餉の献立は、茶飯、汁、煮物、焼物で、煮物の材料に肉とあるのは何の肉かわからないので、NO.11に書いたように再現には牛肉を使いました。
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芝居の打ち出し(終演)は午後8時ごろで、そのあと松屋へ行き夜餉(現在の夕食)をとっています。献立は蕎麦、汁、煮物、ひたし物とあります。帰途は本郷を通り、午後10時過ぎに帰着とあり、この日は朝早くから夜遅くまでの芝居見物でした。 |
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猪口は小形の深めの器で、和え物など少量の料理を盛るのに使います。 |
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汁は夕餉ではみそ汁、夜餉では醤油を用いたすまし汁としました。 |
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蕎麦については次回に詳述する予定です。 |
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