遊郭の女性たちは、どんな食事をしていたのでしょうか。『歴史公論』(1983年4月)に掲載された「遊郭の料理」(宮本由紀子)には次のように書かれています。
「遊女には階層があって、上級の座敷持、部屋持は、3度とも各自の部屋へ2品ほどの惣菜を添えて、禿(かむろ)という雑用係の少女が運び、多数の遊女たちは集って食事をした。遊女屋によっては2食のところもあった。食物は粗末で3年米とよばれる虫臭い古米を用い、惣菜も芋の煮物、小魚の干物ぐらいであったという。また芋がら、おからなどを混ぜた雑炊もあり、味噌汁には味噌は少なく塩を入れたという。このような粗食のため買い喰いをしたり、台の物の残り物にたかることも多かったようである。」上の絵の食事風景は華やかですが、実際の食事は粗末だったようです。
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