場所は花火のよく見える隅田川べりの料亭らしく、絵に登場させた3人の役者は、右から三代目岩井粂三郎(のちの八代目半四郎)、五代目坂東彦三郎、初代中村福助(のちの四代目芝翫)です。役者の名は似顔でわかり、さらに粂三郎は衣裳やうちわに家紋のかきつばたの花をデザインし、「井○井」(岩井)の模様も付けています。福助は、やはり家紋の「ふくら雀」の柄の浴衣を着ています。彦三郎はこの3月(安政3年)に竹三郎から彦三郎を襲名したばかりなので、それをアピールするために中央に置いたようです。
表題の「若三人」というのは、「和歌三神」をもじったもので、和歌の神様とされる住吉明神、玉津島明神、柿ノ本人麻呂に、若手の人気役者3人を見立てたという趣好です。
以上が引用ですが、わかる方にはわかるものと敬服するばかりです。
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