幕末の慶応2年(1866)の記録ですが、大名の日常食、行事食を知ることができる貴重な史料です。食事は1日3回で、節句などの行事の日はご馳走ですが、日常食は現代の私たちから見ると至って質素です。
3月3日の、朝・昼・夜のうち御祝膳とある昼の献立を次に紹介しましょう。
汁(半ぺん・よめな)、飯
平(ひら)(さより・竹輪麩・みつば)、
猪口(いり玉子)、焼物(いさき)、
香の物(みそ漬大根)
次に「雛へ」とある献立は
汁(半ぺん・よめな)、飯、
鱠(赤貝・うど・みしまのり)、
平(蒲鉾・しいたけ・長芋)、
猪口(いり玉子)、香の物(たくわん)
二の膳
汁(短冊玉子・ふき)
坪(つぼ)(うすくずしめ豆腐・ぎんなん)
焼物(若さぎ)
このほか三重の重詰が4種類あります。
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