「歌舞伎と浮世絵~復元役者絵を楽しむ~」を開催!
復元前の役者絵(左)と復元後の役者絵(右)
昨年11月に開催されたイベントの第2弾。
講師は、前回と同じく長年、歌舞伎座のカレンダー「歌舞伎絵暦」の企画・構成・解説を担当している新藤茂氏。
会場では、実際に当時描かれた浮世絵と復元後の絵を用いながら
「浮世絵も“初摺”と“後摺”では、使用された染料や紙質にも差異がある」。
当時の色彩を再現するのに、「例えば“紅色”の原料である「紅花」から抽出した"赤"と"黄"の成分量によっても色合いの変化が異なる。
また、“紫色”は「露草」から抽出した"青"と「紅花」から抽出した"赤"を混ぜて作るので、空気や光の影響で劣化すると“茶色”に変色してしまう。これは、「露草」の"青"が先に退色しやすく、次第に「紅花」の"赤"も退色する・・・」と、「色」の特性に着目した、復元のコツも解説。
また、「役者が巻いている手拭いには、布生地を用いた、布目摺り(ずり)という技法。本物に近い“質感”が描かれている」と、当時の高い技法にも触れ、浮世絵の奥深さを改めて実感できたイベントでした。
※「復元役者絵」は木挽町広場で販売中です。