「生間流・式庖丁と日本料理を愉しむ会」が開催されました
庖丁と箸を使って巧みに身を捌く
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平安時代から伝わる「式庖丁」の流派の一つである「生間流」。「式庖丁」とは、烏帽子、袴、直垂で、まな板の上の魚や鳥に直接手を触れずに庖丁と箸を使って、めでたい形に切り分けて並べる儀式のこと。一年の内でも主に節会(せちえ)の折々に、魚の切り方で瑞祥表現(おめでたい形に)します。
厳かな雰囲気の中、米良 隆(めら たかし)師範が、壇上の大まな板の前に着座し、様式美豊かな庖丁捌きを華麗に披露。「二見浦の夫婦岩」や「渦潮」など、捌いた鯛で表現していきます。
削いでひも状にした切り身で表現した「夫婦岩のしめなわ」や「渦潮」
「式庖丁は平安時代、宮中の祝いの席で披露されたことが起源とされ、命にたいする感謝の気持ちから、はじまった儀式と言われています。右手に庖丁刀を持ち、左手に箸を司り、決して素手で触れることはありません。さらに手の動きで「日出づる国日本の日の出」など、様々な表現を行っています」。
続いては楽しみなお料理。この日のために特別に用意された献立は、向附に鯛のお造り、松葉蟹のお椀、鱈の焼き物・穴子の昆布巻きなどが鮮やかな八寸など、秋の実りを祝うもの。食後には抹茶とお菓子をいただきました。
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無駄な手数を許されない庖丁捌きは、まさに料理庖丁道の真髄!来春にも「式庖丁と日本料理を愉しむ会」の開催を予定しています。