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花道の下にある電動装置。イメージはまさに「奈落の底」・・・。
舞台上、奈落からセリ上がってくる仕掛けを総称で
「セリ」と言いますが、歌舞伎座の花道で観客から見て七三のところにある仕掛けを、特別に「スッポン」と呼びます。
妖怪や亡霊などキワモノの役どころが登場するときに使用され、観客の目にはとても気になる場所でもあります。
このユニークな名称の由来は、料理で有名なあのスッポンのように「突然長い首が出てくるイメージに似てるから」などと文献にはあります。
歌舞伎創世記の舞台には、すでにこの「スッポン」が存在していたということですが、当時から、いかに演出に力点をおいた舞台づくりを目指していたかが伺え知れます。
昔は人力で動かしていた歌舞伎座の「スッポン」は、現在は電動で動かします。気になるそのタイミングについては、狂言方さんが灯りひとつで「キュー」出しし、大道具さんがそれを受けて動かします。
写真と文章・アジャスト田中伸明
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