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 「昔は、うちにもこんな朝顔あったよなあ!」と、子供の頃の縁側の風景を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。日頃の生活で、つい季節感を失いがちな現代人には、ふと懐かしさを感じさせてくれる光景だと思います。
 
 歌舞伎座の売店に一歩入ると、天井の『格子』には日本の夏の風物詩『朝顔』が咲き乱れ、なんとも涼しげな眺めです。売場のあちこちからも花が顔をのぞかせ、さながら夏の縁日のような雰囲気を楽しめます。
 
 朝顔ばかりではありません、この『格子』が季節に合わせて様々に姿を変えていることにお気付きでしょうか?夏が過ぎればそれは京都の小倉山にも負けない紅葉に変わり、そしてお正月には凧と餅玉でより一層の華やかさを演出し、春の訪れには、日本人が最も好きな桜を満開以上に咲かせます。
 
 そしてまた季節はめぐっていくのですが、歌舞伎座には、私たちが忘れかけている『日本の四季』が生きています。お越しの際にはちょっとだけ・・・気を配ってみてください。
 皆様の前に、静かに時は流れているのです。
 

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