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 この写真は歌舞伎座内の一室、主に賓客の応接として使われますが、時折私達の会議にも使用しています。壁にかけられている肖像画の人物は松竹の創業者である大谷竹次郎、双子の兄弟の弟です。兄・松次郎の「松」と竹次郎の「竹」で「松竹」という会社名が出来上がりました。創業当初はこの字を書いて「まつたけ」と読んでいたのを、大正期に株式会社になったのを機に「しょうちく」と呼称を改めたと伝えられています。
 双子の兄弟といえば、いま上映中の「ラスト・サムライ」の製作配給会社「ワーナーブラザーズ」も双子のワーナー兄弟が創立したということで、松竹とワーナーはそんな浅からぬ因縁が両社の結びつきをより強いものにして来たと言えそうです。
 この肖像画は歌舞伎座再開場当時の昭和26年に毎日新聞社から贈られたもので、この大谷会長の絵が掛かっていることから、本来「特別室」と名付けられたこの部屋をいつの間にか「会長室」と呼ぶようになり、今でも社員の間では「会長室」で通っています。
 歌舞伎400年の歴史の内、100年を担ってきた松竹はこの創業者の意思を受け継ぎ、次の100年、さらにその先へと歴史を刻み続けて行くことでしょう。
 今年も一年間写真ギャラリーをご愛顧頂き、誠にありがとうございました。来年は華やかな良い年になりますように。
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