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昨今、大都会には似合わぬ姿ですが、これは今でも現役で働いている歌舞伎座の煙突です。近年の技術革新のおかげで煙は殆んど出していません。場内暖房や役者さん方のお風呂、厨房の給湯など、劇場の日々の営みを担って半世紀、鉄筋や厚い鋼板で完全補強され、三方へはワイヤーも張ってあり、地震があっても悠然としています。
その昔、まだ周りのビルが低かった頃、この煙突は目立ったため、銭湯と見間違えた人もいたようですが、今はなかなか皆さんのお目にとまることはありません。今年に入るとますます周囲のロケーションも豹変いたしました。南には汐留シオサイトの高層ビル群、東にはADK松竹スクエアビルの出現です。そう云えば、その後方のベイサイト”ディズニー”では、早々とクリスマスショーが始まっているようで、師走を迎える銀座の街もプレゼントを探し求める人が行き交い、何かとときめいてくる時節となります。
歌舞伎座も顔見世興行が過ぎて、もうじきこの煙突の上に、あの赤服に白ひげの人が、やって来るような気がします。
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