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舞台の下手側から上手方向を
眺めています。
 
頭上の物はなんでしょう?
 
この写真は、開演前の舞台の仕込みの最中に撮りました。忙しく立ち回る大道具方の頭の上で、照明に照らされて前衛的なオブジェにも見えます。
 
舞台の上方高くにバトンが吊られており、ここに幕や、大道具、所作台などが数多く吊り込まれていて、それを下から眺めたものです。客席側から、照明、緞帳、大道具と続き、その数88本。
上げ下げは、大半が電動ですが、照明などのいくつかは、「綱引き」でもできるような太い綱を人力で引っぱって上げ下げしています。
バトンの上側が下の写真。吊り上げているワイヤーがびっしり張り巡らされ、巻き上げるモーターが並んでいるさまは圧巻です。この上で作業するには、ワイヤーの上に渡された「キャットウォーク」と呼ばれる細い足場を縫って進みますが、まさに猫が器用に屋根伝いに歩くような光景でしょう。
この吊り物装置、ちょっとした故障でも舞台の幕は開かなくなります。まさしく歌舞伎座の舞台機構の心臓部といえましょう。
バトンの上側の様子。
モーターやワイヤーがびっしりと並んでいます。
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