その独特の書風は、世に流行し、江戸歌舞伎の全盛期には、中村座・森田座・市村座といった江戸三座があった浅草の猿若町だけでなく、江戸中の劇場で勘亭流が用いられ、鳥居派の芝居絵とともに歌舞伎にはかかせないものとなりました。
|
|
“勘亭流”の書体には |
|
文字を太くすることにより隙間をなくす(=客席に隙がないように) |
|
文字に丸みをもたせ尖らせない(=興行の無事円満を祈る) |
|
内側にハネル(=お客様を芝居小屋に招き入れる) |
|
というように、「文字」という面から、観るものを歌舞伎の世界へと誘(いざな)ってくれる意味合いがあります。 |
|
浅草の清光寺には岡崎屋勘六のお墓があり、 墓石裏面には |
『ありがたや 心の雲の晴れ渡り 只一筋に向かう極楽』 |
と、勘亭流で刻まれています。 |
|
(清光寺:台東区西浅草1-7-19/営団地下鉄 銀座線 田原町駅下車 徒歩30秒) |
|
|