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板前の腕の見せ所
当座鰤煎炙
(とうざぶりいりやき)
江戸料理を再現したものです。
このような料理に仕上がります。
ちょうど今頃から一番脂がのっていて旨いといわれる鰤(ぶり)
 
多くの方は切り身でしかお目にかかったことがないのではないでしょうか?
もちろん切り身が海を泳いでいるわけではありません。
写真の鰤は、この日料理長が自ら河岸(かし)へ出向き吟味調達した佐渡沖産の9kg物です。
これ一匹から約150人前の切り身がとれます。
鰤はアジ科の魚のひとつで、日本各地の沿岸、深さ100メートル位のところに住み、
成長するにつれて呼称が変わるので縁起がよいとされる出世魚です。
名称は地方によって多少異なりますが、関東では
わかし
いなだ
わらさ
ぶり
と言う名称で昇格して行きます。鰤は調理場でいえばさしずめ料理長でしょうか。
鰤も此処まで来るには途中さぞかし辛い事も有ったでしょう。
歌舞伎座の調理場では
洗い方
焼き方
揚げ方
煮方
親方
という順番で出世して行きますが、鰤を持っている板前さんは“洗い方”。
彼もきっと鰤のように出世していくことでしょう。
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