建替え現場から

唐破風の鬼瓦や客席の設置が進んでいます

新年を迎え、仕上げに向けて工事の進む建替え現場。敷地をぐるりと囲んでいた鋼鉄製の仮囲いも撤去され、新しい白壁の第五期歌舞伎座の姿がほぼ見えてきました。
大屋根の上には、屋上庭園も見ることができます。

唐破風の鬼瓦や客席の設置が進んでいます


昨年12月の末には、歌舞伎座の象徴ともいえる、劇場正面の唐破風屋根がお披露目になりました。
唐破風屋根の上には歌舞伎座で最大となる重厚な鬼瓦が設置されています。
この鬼瓦は「経の巻」と呼ばれ、3つの円筒形の装飾がお経の巻物に見立てられたことに由来していて、左上の写真のように、床において人と比べてみてもかなりの大きさ。
組み上げると、長さ約3.5m、重量は約700㎏にもなります。
クレーンで吊り上げ、何人もの作業員が細かな調整を繰り返し、慎重に作業を進めました。

唐破風の鬼瓦や客席の設置が進んでいます


一方、劇場内は天井や壁が仕上がり、現在、客席の座席の取り付け工事を進めていますが、約1,800席の座席は、1階席の一部を残して設置が完了しています。
座席寸法は、座席幅が3cm、前列との間隔も6cm広がり、ゆったりとします。
ご覧の通り、座席の色も絨毯の色も第四期歌舞伎座のディテールを継承、1・2階席には歌舞伎座の座紋の鳳凰丸が織り込まれています。

埃を避けるためシートを被った客席は、華やかな新開場を心待ちにしているように見えます。

2013年1月17日

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